農地付き空き家
宅地建物取引士
中山間地域に位置するが、国道沿いにある空き家。所有者は数年前にご両親の逝去に伴い、相続登記を済ませていた。レッドゾーンでもなく、国道沿いでもあることから、不動産会社を通じて売却の活動もした経緯がある。ただ、そこにネックとなっていたのは3反くらい付いている田畑であった。ご存じのように「農地付き空き家」を購入の場合、農業委員会に申請~許可が必要である。またこの田畑は、あちこちに点在しているという状況もあった。3反もあると家庭菜園という申請というわけもいかず、農業従事者の購入を求め、所有者は毎年、草刈りと家の管理や掃除を続けていた。

ある時、当協会と繋がりのある不動産会社から連絡があり、「この地域で農業をやりたい人がいるので物件を紹介して欲しい」と連絡があった。聞くところによると、その方は既に近くに3反田畑を購入しており、もう少し手広くしたいのと、休憩場所として使える建物が付いている物件を探していた。まさにこの農地付き空き家がピッタリの条件であったが、田畑が点在していて効率が悪い事が即答に至らなかった原因であった。最終的には、徐々に範囲を広げる段取りとして、近所の耕作放棄地の所有者を紹介するということで、売買につながった。この案件は、所有者がいつか売買につなげようという強い意志で掃除や管理を続けられたのが良かったのだと思う。
連携した専門家
宅地建物取引士、一級建築士、地域団体、町内会
投稿者
NPO法人住環境デザイン協会
事務局