田舎の古民家を外国人が住みたがる理由
一級建築士
Webで「住宅診断」を検索された女性から「外国人の友人が、空き家バンク登録の物件を見て気に入っている。住めるかどうか判断して欲しい」と依頼がある。どんな人物か、またその古民家がどの程度の家屋か興味があり、その人物と現地で待ち合わせ。その場に地方自治体の空き家バンク担当職員も同席。

間取りは田の字型で昭和初期のような建物だったが、意外と築浅物件。母屋・納屋それぞれ2階建て合計180坪で土地は田を入れると約1000坪。状態は良いほうだが、耐震性能や雨漏りなど問題はあり、お湯が出なかったり、お風呂がない、そしてトイレが水洗ではないと伝えるが、それでも本人はお構いなし。

リフォームはどうするのかと尋ねると、「All By Myself。Yes, “DIY”」。さすがDIYの本場は考え方が違い、家は自分で直すもの、そして田舎生活は楽しいものという発想に改めて感心した。当初、売買契約をするはずの大手不動産業者は「商売にならない」の一言で撤退。何とか地元の不動産業者に地方自治体職員がお願いし契約にこぎつけた。移住・定住が広まる中、DIYは一つのキーワードになっている。空き家対策=移住対策=DIYはつきものである。彼は今、DIYでお風呂の作成中。地元の方に協力してもらいながら作成しているとの事。そのコミュニケーションもすばらしい。今後も彼の行動に注目したい。
連携した専門家
地方自治体空き家バンク窓口職員
地元の不動産業者
投稿者
NPO法人住環境デザイン協会 事務局